長崎を代表する温泉地のひとつ小浜。
橘湾に面したこの温泉街の裏手に広がる刈水地区は日本の原風景の面影を今なお残す静かな住宅地となっています。
この一角に2013年、喫茶を併設したギャラリーがオープンしました。
それが今回紹介する「刈水庵」さんなのですが、長崎を拠点とする小浜出身のデザイナー・城谷耕生さんがオープンさせたものなのです。
刈水地区は小浜温泉街に隣接た細い路地と急な坂のある小高い丘となっており、眼下に望む橘湾や背後にそびえる雲仙岳の雄大な原生林、そして温泉といった雄大な自然の恵みに囲まれた場所となっています。
しかしながら、空き家が目立つ場所でもあり、自然環境を活かしながら、住人の暮らしと観光つないでいくという地域活性化プロジェクト、刈水エコビレッジ構想の中心としてオープンしたお店なのです。
こちらのお店には駐車場がありませんので、日本一の足湯として有名な『105mの足湯』のそばにある小浜マリンパークに車を停め、温泉街の裏手にある刈水地区を目指します。
伊勢屋旅館さんから裏の路地に入り、まずは炭酸泉を目指しましょう!
炭酸泉に近づいていくと硫黄の香りとともに立ち上る湯けむりが見えてきます。その湯けむりの先に目をやると、今回目指している「刈水庵」の案内板が目に入ります。
ここからは住宅地の狭い路地を案内板に従って住宅街に入ります。
途中、風情ある昔ながらの石垣や自家菜園と思われる小さな畑を横目に路地を登るとお店にたどり着くことができます。
外観は古民家そのままの状態となっていますので、一瞬「ホントにここで良いのかな!?」と感じるかもしれませんが、玄関を開けると喫茶の案内板とともに一階にあるギャラリーが出迎えてくれます。
喫茶メニューはコーヒーなどの数種類のドリンクとともにそれぞれ異なるお菓子がセットになったものが用意されています。(時期などで変わるようです。)
靴を脱ぎ、古い作りの少し急な階段を二階へと登ると、喫茶スペースの窓からは小浜の温泉街が見え、その先には橘湾が広がっていました。
一方、山側の窓はその先に原生林が広がっており、日本の原風景の一端を感じさせます。
レモングラスハーブティーは刈水庵の自家菜園で育てたレモングラスが使われているそうです。
コーヒーにはオレンジピールチョコレートがセットになっていました。
喫茶スペースは、昔の古民家という空間にゆったりした椅子やソファーが並べられ、イマドキのオシャレな照明で照らされています。
そこはまさに昔と今がクロスオーバーした心地よい癒しの空間となっていました。
忙しい日常をしばし忘れ、海と緑に囲まれてリフレッシュできる、そんな空間になっています。
一階の ギャラリーではオーナーの城谷耕生さんの事務所であるスタジオシロタニの作品とともに国内外の工芸家たちの作品や世界各地で見つけた雑貨が展示・販売されており、雑貨好きな方にはオススメです。
離れの建物にもギャラリーが設置されています。
また、お店の前にある庭では定期的にフリーマーケットやイベントが催されているなど、人の交流の拠点になりつつあります。
今後、近くの空き家を活用したイベントが計画が進んでいたり、様々な構想があるようで、カフェとしての「刈水庵」だけでなく、「刈水エコビレッジ構想」からも目が離せませんね!